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Title UN指定の後発開発途上国タンザニアに建てられた「ありがとう、小さな図書館」
No 77 Inquiry 1194 Date 2017/12/30

ダルエスサラーム地域、三つの学校が開館式を開催


全世界で二番目に大きい大陸であるアフリカ。全世界の面積の内の20%を占め、人口もまた13億にまで及ぶ大陸であるが、内戦による不安定な社会・絶対的貧困と飢餓問題により世界の注目と関心を集めると同時に、記録された歴史の不在と気軽に行くことのできない大陸に対する不慣れが共存する場所である。大航海時代を始め、アフリカを占領したヨーロッパ列強のアフリカ植民地時代が終わるとアフリカはまた別の問題に直面した。1884年に開かれたベルリン会議でヨーロッパ帝国主義列強がアフリカ部族の言語・文化・慣習の違いを配慮せずに、自国の政治的利益に沿ってアフリカ国境線を定めるよう合意したのだ。未だにアフリカの多くの国家が部族間の葛藤による内戦に苦しめられており、不安定な治安の中、UNに加入された54個のアフリカ国家の内タンザニアは政治的・社会的に最も安定している国家として選ばれる国である。


タンザニアがUNが指定した後発開発途上国にも関わらず安定的な社会システムを構築することができた背景はまさに「教育」である。タンザニア初代大統領であるジュリウス・ニエレレ(Julius Nyerere)の教育政策と言語統合政策により部族間の葛藤を大幅に減らすことができた。教師だったジュリウス・ニエレレはアフリカ国家の内戦発生の原因を部族間の言語・文化・風習の違いから来るものだと判断し、初めて国家の公用語をスワヒリ語に統合させ、国家予算の14%を投資して小学校の全面無償教育を実施し、中学教育の学習者からは自身の故郷ではない他の部族へと移り教育を受けなければならない教育政策を開くことで部族間の葛藤を最小化しようと試みた。このような政策によってタンザニアは部族間のコミュニケーションが緩和され、他のアフリカ国家が抱いている内戦の危険が発生しない国である。教育を通じた政府統合に対する先例を通し、タンザニア政府関係者と国民たちの教育への熱意が非常に高い。


図書館の開館を祝うタンザニアの学生たち


タンザニアの学生たちの読書と教育に対する高い関心は、図書館の建築現場でも如実に感じられた。ダルエスサラーム(Dar es Salaam)所在の三つの学校に小さな図書館が建てられる間、教師と学生たちは皆進んで建築会社の職員たちと共に現場のゴミを片づけたり本棚の本を整理したりするなど、小さな図書館の空間に対する愛情を見せてくれた。最近、中国のアフリカに対する攻撃的なODA事業投資と進行によってアフリカに多くの数の中国人たちが寄ってたかっているが、アフリカに居座る中国人が引き起こした各種の社会問題によりアジア人に対するイメージが悪いことが明らかになった。アジア人と言えば当然中国人だという認識を持っていた学生たちは、小さな図書館の設立が終わる頃には韓国人が現場を訪れると「コレア~」と叫びながら手を振り、開館式当日には韓国から来たお客様の為に直接作詞作曲した歌で小さな図書館の設立に対する感謝の気持ちを伝えた。



小さな図書館を直接利用する学生たち


今までタンザニアには計14個の小さな図書館が建てられている。10月16日、小さな図書館の開館式が行われたダルエスサラーム所在のBongoyo小学校・Kibugumo小学校・Barafu小学校は優秀学生養成のためにタンザニア外交部と教育科学技術部が戦略的に選定した学校である。現地の事前踏査の結果、各学校は様々な国家及び慈善団体から多くの図書の寄贈を受けたが、殆どが小学生には多少難しい内容であるだけでなく、英語で書かれているため英語教育が中学から公式的に始まる現地の実状とかけ離れている。その上、現地の書店でスワヒリ語で発行された図書は一冊当たり約10ドルで販売されているが、これは公立小学校の一学期の学費と同じレベルで非常に高い金額である。


これにより、韓国文化産業交流財団はタンザニア外交部・教育科学技術部の要請の下に、三つの学校の学生たちに実質的に必要な物品支援に集中した。既に建てられた小さな図書館に本と一緒にサポートしていたPC・ノートパソコンなど、小規模のマルチメディアを大胆に排除し、教室が足りず、学校の校庭の床で勉強していた学生たちの為に、より快適な環境で本を読めるよう施工に力を入れ、ダルエスサラーム全域の書店で販売されているスワヒリ語の童話、小説、そしてスワヒリ語に翻訳された韓国の伝来童話、職業教育図書、世界の物語などをサポートすることに力を注いだ。


開館式に参席したタンザニアの主要政府関係者及び韓国関係者


タンザニアダルエスサラームの三つの学校に建てられた小さな図書館は教師、学生、そして父兄皆の誇りであり各村のランドマークとして定着した。学校の授業が終わっても図書館で本を読む学生が増え、図書館の開放時間を延ばすなど、教師たちの配慮と努力もまた目についた。「ありがとう、小さな図書館」事業は、ODA事業の中でも未来志向的な事業である。設立直後、または1~2年後に表れる目先の成果よりは、一つの学校当たり1,000人の学習者の内のたった10人だけでも、小さな図書館を通して夢を抱き国の発展の原動力になれる人材に成長できるなら高く評価される事業になるだろう。



Barafu小学校の学生たちの小さな図書館開館式の記念公演


タンザニア政府の政策開発目標をわかりやすく実現するため、最も早く実現されなければならない目標の一つとして教育を選ぶ程、タンザニア政府は国家発展において教育を核心要素として考えている。「ありがとう、小さな図書館」事業がタンザニア開発ビジョン2025の目標の内、生活レベルの質的向上の為の教育増進・学習社会の雰囲気拡散及び定着、文化的に高潔な雰囲気を作ろうというタンザニア政府の目標達成に役立つことを期待する。