• スター
  • 2013-04-17 13:52:42

キム・ボム「オ・スのように切ないメロドラマ、自分にはまだ難しい」

3日に放送終了したSBSドラマ『その冬、風が吹く』は断然、2013年上半期最高の話題作だった。俳優たちの演技は感覚的な演出や感性あふれる脚本とマッチし、冬から春に移り変わるこの時期、お茶の間にあるときは冷たく、あるときは温かい雰囲気を届け、視聴者の胸を高鳴らせた。

その中に俳優キム・ボム(24)がいた。彼は同作で義理を何よりも大事にするパク・チンソンとしてオ・ス(チョ・インソン扮)と生死苦楽を共にした。ギャンブラーのオ・スを無条件に信じて従う義理堅い面はもちろん、口は悪いが心は人一倍温かいムン・ヒソン役のチョン・ウンジと息の合ったロマンスで場を盛り上げた。

特に、後半部では妹を生かすためにオ・スを死に追いやるしかない苦境に立たされてどんでん返しとなり、ハッピーエンドを引き立たせる役割を果たした。しかし、キム・ボムは、自分の意に反してオ・スを裏切らざるを得なかった重要なシーンに心残りがあると告白した。

「最終回ということで大きな見せ場だったのも事実。思っていたより期待はずれだったという意見もあった。しかし、自分にできる役割を知っていたため、心配はなかった。オ・スを裏切るという設定は原作と同じだが、描写方法は違っていた。最終回の感情表現が一番難しかった。オ・スのように感情が徐々に積み重なっていくのではなく、いきなり豹変しなければならないため戸惑い大変だったが、インソン先輩や監督にたくさん助けられた」

「自分が出演する分の撮影を終えたときは、まだ全体の撮影が終わっていなかったため、終わったという実感が湧かなかった。鎮海に行って最後の撮影まで見守り、監督が一言あいさつしたら、みんな泣いた。自分も胸にこみ上げてくるものがあった。名残惜しさの度合いが他の作品とは違うように思う。作品中の役が終わったからというよりは、この人たちといつまた会えるだろうかという恋しさのほうが大きかった」

キム・ボムはパク・チンソンについて自分の演技を離れて「愛する人を守るためならたとえ火の中、水の中でも飛び込む姿が格好よかった。後先を考えないで守ろうと一生懸命になる姿がカッコイイ人物」だと評した。チンソンの気持ちが理解できたのは、自分自身も義理を重んじるためだ。

「自分で言うのもなんだが、義理を非常に重んじる方。だからオ・スに対する盲信というか憧れ、彼が傷つかなければいいのにという気持ちや、何とか生かそうと頑張る姿が理解できた。もちろん、同じ状況に置かれたとき、チンソンのようにできるかといえば疑問だが。ハハ」

キム・ボムはこのように男らしい面とあわせ、ヒソンとの睦まじい関係によってドラマの中で様々な魅力を見せつけた。ドラマ『花より男子~Boys Over Flowers』でレストランを丸ごと貸切にして告白したロマンチックなイメージとはまた違う、「男の中の男」として女心をときめかせた。『その冬、風が吹く』はロマンチックさとタフさを併せ持っている。また、キム・ボムの魅力がより一層深く感じられた作品でもある。

「そのように感じてもらえたのなら幸い。演技をするとき、メロドラマというジャンルがいまだに一番難しく、自信がない。照れくさいセリフがうまく言えず、一時は混乱に陥ったりもした。視聴者の求めている甘ったるさやロマンスが、僕にはうまくできるし、したいとも思っていることと衝突したときもある。幸いにも今回の作品では、そういったものを両方ともお見せできてよかった。オ・スのように胸を締め付けられるようなメロドラマはまだ自信がない。ジャンル的な特性上、様々な表情などの演技をうまくこなさなければならないため、今後もっと勉強が必要だと思う」

メロドラマの演技が一番苦手だという俳優キム・ボム(24)は、SBSドラマ『その冬、風が吹く』でタフさの中に潜むロマンチックさで女心をくすぐった。実際の恋愛でも、甘くてロマンチックなタイプというよりはチンソンに近い方。

「制作発表会のとき、タイトルに含まれる風の意味について‘木が動くのは風が動くからなのか、それとも木が揺れるからなのか’という質問に、‘あなたの心が揺れるだけ’と答えたことがある。ドラマでもオ・スとオ・ヨンが思い描いている風や目指しているものは違ったが、互いに共感するようになって気持ちのやり取りをするのが、そのようなことなのではないかと思った。ドラマを撮り終えた今もそう思っている。僕にとって『その冬、風が吹く』の風は、非常に暖かい風だった。寒い冬だったが、ひたすら暖かさを感じた」

キム・ボムはその暖かい風の力でまた別のチャレンジに向かって走る。『思いっきりハイキック!』、『花より男子~Boys Over Flowers』、『エデンの東』などの役柄に投入しては抜け出すのにためらいがなかったキム・ボムの航海。再び帆を上げた彼が、今度はどんな魅力を見せてくれるか興味をそそられる。

「休まずに続けて作品に出ているが、僕にはまだ走れるエネルギーがある。休む期間なしにまた走りたい」と目を輝かせるキム・ボム、彼を再び見られる季節が待ち遠しい。
 

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