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  • 2014-05-28 14:10:56
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カンヌが息をひそめた99分、「リュ・スンリョンの標的」だった

カンヌは日が長い。午後9時になっても日が沈まない。『標的』の公式上映が初めて行われた日の夜もそうだった。太陽が照りつけていた天気も急に曇りだし、豪雨が降った。降り注ぐ雨の中でミョンジンビルの全景を見せながら始まる『標的』のオープニングにぴったりの真夜中だった。22日午前零時(現地時間)、第67回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に出品された映画『標的』がベールを脱いだ。『標的』の上映を待つリュミエール劇場内は、まるでトラックの下で敵が通り過ぎるのを息をひそめて待っていた「チムスンリョン(ワイルドなリュ・スンリョンを表す造語)」のように、緊張して見えた。その緊張感は1時間39分の間ハラハラ、ドキドキさせる俳優リュ・スンリョンの存在感で埋め尽くされた。

韓国での公開当時も、リュ・スンリョンに対する評価はすばらしかった。一匹の獣として表現されたヨフンという人物は、リュ・スンリョンの原初的な演技本能によって完成したという絶賛も浴びせられた。40代で挑戦したアクションだったが、敏捷で洗練されたアクションというよりは、ずっしりとして痛ましい戦いぶりがむしろ余韻を残したという反応だった。早くから『標的』のリュ・スンリョンについては、韓国のロバート・デ・ニーロのような俳優だと賞賛を送っていたカンヌ。『標的』がフランスの原作映画『この愛のために撃て』をリメイクしたものであるという点から一層関心が高く、そのおかげでリュ・スンリョンは世界の映画人から注目を集めた。

映画上映の途中、『標的』は観客の笑いと拍手を誘った。特に、リュ・スンリョンは顔を血まみれにしながらユ・ジュンサンと死闘を繰り広げるシーン、弟を救えずに熱く涙を流すシーンなど、感情が爆発するシーンで観客を感動させた様子だった。映画が終わった後、観客席からは3分以上にわたって拍手が鳴り止まなかった。韓国での映画撮影スケジュールのため、カンヌに行けなかったのが唯一残念な点だった。

『標的』はカンヌ映画祭のフィルムマーケットでドイツ、トルコ、スイスの欧州3カ国と中東・南米地域への輸出が決まった。配給会社のCJエンターテインメントによると、中東・南米地域の輸入会社は同地域全体に映画を配給する大手企業である。韓国では先月30日に公開され、観客動員数260万人を突破した。公開されて1ヶ月になるが、クチコミとカンヌ映画祭出品などの朗報が重なり、興行成績は上位を堅実に維持している。チャン監督は観客動員数300万人を突破する場合、カンヌで上映された映像と同じノーカット版『標的』を韓国でも見られるようにする方法を協議中である。

 

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