1日に放送終了したSBS水木ドラマ『君の声が聞こえる』は、今年の地上波ミニシリーズの中でダントツの話題作。『九家の書』、『その冬、風が吹く』、『オフィスの神』なども越えられなかった視聴率20%の壁を軽く突破した。数々のパロディや裏話まで生まれ、比類ないほどの話題性を提供した。一時はうまくいかないだろうと「見放された」ドラマが、今年最高のミニシリーズ話題作となった理由は何だろうか。
▶ 韓国ではヒットしないとされる「マルチジャンル」視聴者は熱狂
『君の声が聞こえる』のシノプシスが当初冷遇されたのは「マルチジャンル」だったため。しかし、実際にふたを開けてみれば、同作のこうした特徴は、アメリカドラマやウェブ漫画などで目が肥えている視聴者の興味を絶えずかき立てた。子役が演じた序盤は貧富の格差を扱う社会ドラマ、大人役にバトンタッチしてからはロマンチックコメディ、イ・ボヨンの母親役キム・ヘスクが死亡してからはスリラーへと、その特色を変えてきた。文化評論家のチョン・ドクヒョンは「キム・ヘスク(オ・チュンシム役)がチョン・ウンイン(ミン・ジュングク役)に殺害されるシーンが多くの人に衝撃を与えた。誰もそのような展開は予想できなかった。今まではドラマのジャンルだけ見てもどのような展開と結末になるか大体予想がついた。『君の声が聞こえる』はそのような公式が全く当てはまらなかった」と評した。
▶イ・ボヨン、イ・ジョンソク、チョン・ウンインらキャストの再発見
出演者たちもしっかり「作品の恩恵」にあずかった。初めはトップスターやアイドルが一人も入らないキャスティングのため、期待度が低かった。しかし、イ・ボヨン(チャン・ヘソン役)はずば抜けた演技力を認められ、イ・ジョンソク(パク・スハ役)はそれこそホットなスターに躍進した。彼らは10歳の年齢差にもかかわらず、弁護士と高校生の恋愛を違和感なく演じた。
イ・ジョンソク(24)も他人の心が読める超能力少年という特異な役柄を、説得力十分にこなした。前作『学校2013』のコ・ナムスン役から完全に抜け出し、多彩な表情の演技とさらに成熟した感情の演技で好評を博した。生徒役を主に演じてきたイ・ジョンソクは『君の声が聞こえる』により、同世代俳優の中でトップに躍り出た。
チョン・ウンインもまた『君の声が聞こえる』により、デビュー以来最も注目を浴びた。「話せば殺すと言った。お前の話を聞いた者も殺す」、「小僧、ここにいるお利口な奴らはみんな俺の味方みたいだぞ」など、彼のセリフをパロディにしたシリーズが出るほど話題を集めた。ぞっとする目つきと恨みのこもった演技により、最も『君の声が聞こえる』の恩恵にあずかった者とまで評されている。
2016-10-30 ~ 2016-11-5
2016-10-30 ~ 2016-11-5
2016-11-7 ~ 2016-11-13